こんにちは、てつです。
私は就職氷河期時代にフリーターから公務員試験に合格。13年間都内某区役所で勤務し、最速で管理職選考に合格しました。
このブログでは、元公務員の私が、公務員時代の実体験をベースに、これから公務員試験に挑戦しようとする方・現役の公務員の方に向けて役立つ情報を発信しています。
今回の記事のテーマは、「公務員の遅刻」
公務員だって人間…遅刻することはあるでしょう。
遅刻の理由はさまざまですが、理由に関わらず、遅刻は職場に迷惑をかけてしまいます。
だからこそ、遅刻に対する対応は社会人として最低限必要なマナーであり、遅刻の対応を間違えれば社会人としての資質を問われかねません。
より高いコンプライアンス意識を求められる公務員なら、なおさらです。
少し大袈裟ですが、遅刻したときこそ、公務員としての危機管理能力が問われます。
そこで、この記事では、公務員のさまざまな遅刻模様を見てきた元公務員の私が、公務員として知っておくべき遅刻対処法を詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みください。
遅刻しそうなときに公務員がまずすべきこと。それは…
「電車が止まった…このままでは確実に遅刻だ…」
そんな経験、公務員なら一度や二度はあるのではないでしょうか。
遅刻しそうな時、パニックに陥って何をすればいいのかわからなくなることもあるかもしれません。
しかし、公務員として遅刻しそうな時にまずすべきことは明確です。
それは以下の3つです。
- 到着予定時刻を確認する
- 職場に連絡を入れる
- 慌てずに職場に向かう
この3つを速やかに、冷静に行動に移すことが、遅刻時の危機管理として重要です。
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
到着予定時刻を確認する
遅刻しそうな時、まず最初にすべきことは、現在地から職場までの到着予定時刻を確認することです。
到着予定時刻がわかれば、職場への連絡内容をより具体的にすることができます。
ある程度正確な到着予定時刻を伝えることで、職場の同僚や上司は、あなたの不在に備えて仕事の調整ができます。
また、あなた自身も、到着までの時間を有効に使って、仕事の段取りを考えることができるでしょう。
到着予定時刻の確認方法はいくつかあります。
電車の遅延であれば、駅の掲示板やアプリで、遅延状況と到着予定時刻を確認できるでしょう。
自家用車やバイクで通勤している場合は、ナビゲーションアプリや地図アプリで、渋滞状況を考慮した到着予定時刻を確認することをおすすめします。
時間の目安がつかめたら、次は職場への連絡です。
職場に連絡を入れる
到着予定時刻が確認できたら、次は速やかに職場に連絡を入れましょう。
この連絡を入れるタイミングが遅れると、職場の業務に大きな支障をきたす可能性があります。
職場への連絡は、電話が基本。
メールやLINEでは、すぐに気づいてもらえない可能性があるためです。
また、電話であれば、相手の反応を直接確認できるため、確実に伝えることができます。
連絡の際は、遅刻する旨とその理由、到着予定時刻を伝えます。
また、会議等の予定に間に合わない場合は、それに対する対応策も伝えましょう。
例えば、会議であれば同僚職員に代理出席してもらうようにお願いするとともに、会議の日時と場所、会議資料の場所(データのフォルダ名)など伝えます。
最低限必要な事項を伝えておくと、代理出席する職員に過度の負担をかけずに済みます。
このように、遅刻することによる職場の混乱を最小限に抑える配慮が大切です。
正直に事情を説明し、誠実に対応することで、職場の理解を得られるはずです。
遅刻は決して褒められたことではありませんが、適切な連絡を入れることで、信頼を損なうことは避けられるでしょう。
慌てずに職場に向かう
職場に連絡を入れたら、次は落ち着いて職場に向かいましょう。
ここで大切なのは、「安全第一」の意識を持つことです。
遅刻しそうな時は、つい急ぎたくなるものですが、決して慌ててはいけません。
急ぐことで、事故にあったり、ケガをするリスクが高まるからです。
職場に連絡を入れているわけですから、落ち着いて冷静に行動しましょう。
また、遅刻の場合、普段と違う通勤経路を使いたくもなりますよね。
例えば、いつもは電車通勤なのにタクシーを使おうとしたり、徒歩通勤なのに自転車を使おうとしたり…
ただ、普段と違う通勤経路・手段を使うのは基本NGです。
電車の振り替え輸送などの公式な代替ルートを除き、通常と異なる経路・手段で万が一事故に遭った場合、公務災害の対象にならないケースがあるからです。
また、自腹を切って、タクシーを使ったり、特急料金を支払ったりするのもやめましょう。
しっかりと職場に連絡したうえで仕事に向かうのですから、交通費は職場から支給される通勤手当で賄うのが社会人としての常識です。
遅刻は望ましいことではありませんが、安全を最優先に考え、冷静に行動することが重要です。
「急がば回れ」の精神で、通常の通勤経路を使い、慌てずに職場に向かいましょう。
公務員が遅刻して出勤したらすること
あなたは遅刻して出勤したら、まず何をしますか?
いきなり黙々と自分の仕事を始める人はいないでしょう。
常識のある社会人なら分かって当たり前ですが、遅刻するとつい気が動転してしまい順序を間違えてしまうかも…
そんなときに備えて、念のため、遅刻して出勤したらすべきことをまとめます。
上司に報告する
遅刻して出勤したらまず最初にすべきことは、直属の上司に出勤の報告をすることです。
自席に座る前に直接上司のもとへ行き、事情を簡潔に説明しましょう。
もし、遅刻の理由が寝坊など自分の責任の場合は、謝罪や反省の言葉も忘れずに。
また、遅刻による業務への影響や上司の指示を仰ぐ必要がある場合もありますが、これはケースバイケースです。
出勤時に上司が不在の場合は、上司が戻り次第、すみやかに報告しましょう。
自席のメモを確認する
上司への報告を済ませ、自席に着いたらまず、机上のメモを確認しましょう。
あなたが不在の間、同僚があなたの代わりに何らかの対応をした場合は机上にメモを残してくれています。
メモがあったら、取り急ぎ、すべてのメモに漏れなく目を通し、優先順位を決めて対応します。
重要な案件については、対応してくれた同僚に謝罪と感謝の気持ちを伝えたうえで、メモの内容を再確認しましょう。
また、メモがない場合も、周囲の職員に何もなかったかを確認するとよりよいでしょう。
遅刻をするとどうしても罪悪感があり、同僚に話しかけずらい気持ちになることはあるかと思いますが、メモをきっかけにコミュニケーションをとることで、スムーズに通常業務に入っていけます。
庶務手続きをする
遅刻の場合、有給休暇(時間休)または特別休暇の取得になるため、庶務手続きが必要です。
通常業務に入ったら、忘れずに所定の手続きを済ませましょう。
公務員の遅刻の3大理由は?
13年間区役所に勤務した私も、年間に数回は電車遅延で遅刻した経験があります。
ただ、電車遅延以外の理由は思い当たりません。
とにかく「遅刻をすると職場の信頼を失ってしまう」という覚悟で日々過ごしていましたので…
とはいえ、公務員も人間です。
遅刻をしてしまうこともあるでしょう。
そこで、13年間、数々の「遅刻現場」を見てきた私が、公務員の3大遅刻理由をご紹介します。
電車遅延
最も多い遅刻原因は電車遅延。
人身事故、天候不良が主な要因です。
電車遅延の場合は不可抗力のため、しっかりと連絡さえしていれば問題ありません。
有給を消化することもなく、基本的には特別休暇扱いになります。
電車遅延で特別休暇を取得するには、原則として証明書が必要なので、駅で遅延証明書をもらっておくのを忘れずに。
ただ、あまりに電車遅延による遅刻が多い場合は、仕方がないとはいえ、同僚からもあまりいい顔はされません。
特に、複数の路線にまたがって直通運転する電車は遅れやすく、ほぼ毎日遅れている路線もありますよね。
私が職員時代、湘南新宿ラインでほぼ毎日のように電車遅延で遅刻してくる同僚がいましたが、さすがに係長から注意されていましたね。
特に担当制の仕事の場合、朝一で電話がかかってきて毎日のように「担当がいない」状態だと、職場に迷惑をかけてしまいます。
慢性的に遅延が発生する路線で通勤する場合は、遅延を見越して少し早く家を出るようにし、定時に職場に着けるように行動するのが社会人としてのマナーです。
また、大雪や台風などの影響が予測される場合も同じです。
体調不良
- 貧血でもう少しだけ自宅で落ち着きたい
- 家を出る直前にお腹が痛くなってしまった
- 満員電車内で気分が悪くなってしまった
こんな経験はありませんか?
おそらく、少なくとも1つは経験したことがあるでしょう。
1日休むまでもないけど、体調がすぐれない日や急に気分が悪くなったりするのは公務員でも同じ。
無理せず時間休を取得して、回復するまで休みましょう。
突発的な体調不良の場合、回復までにどのくらい時間がかかるか分からないときもありますよね。
そんな時は、正直に職場に事情を説明すれば問題ありません。
また、発熱やひどい風邪の症状などの場合は、仕事に支障をきたすだけでなく、同僚にうつしてしまう可能性があるので、無理せず1日休んで病院に行きましょう。
こんなときのために有給休暇はある程度残しつつ、計画的に取得していきましょう。
寝坊
職場内でそれほど頻繁にあるわけではないですが、寝坊で遅刻する職員もやはりいます。
寝坊は完全に自分のミスです。
やってしまうとかなり目立ちます。
だからといって、落ち込みすぎることはありません。
1度の寝坊くらいは正直に事情を話せば、上司も同僚も理解してくれます。
大事なのは2回目をしないことです。
私の感覚では同一部署で3回寝坊すると、職場内の信頼をほぼ失います。
いくら仕事ができても、自己管理ができない人は信頼されません。
失った信頼を回復するには年単位の努力が必要なので、とにかく3度目だけは絶対にしないように、自分の生活スタイルを見直しましょう。
公務員が遅刻したら処分される?クビになる?
遅刻をしたからといって、すぐに処分されたりクビになったりすることは、めったにありません。
ただ、正当な理由なく無断で遅刻を繰り返すなど、目に余る場合は、懲戒処分を受ける可能性はゼロではないでしょう。 (参照:地方公務員法第29条)
少なくとも私は聞いたことがありませんが…
むしろ、遅刻によって受けるかもしれない処分を心配するよりも、職場内の信頼を失うかもしれないということを心配したほうがよいでしょう。
遅刻は、当日に突発的に起こるため、空いた穴を埋める同僚の業務負担が増え、あなたへの不満につながるからです。
一度失った信頼を取り戻すのには、並大抵の努力では足りません。
上司や同僚からの信頼は、公務員としての仕事を円滑に進める上で不可欠の要素。
やむを得ない場合を除き、自分でコントロールできる範囲で、極力遅刻をしないよう心がけましょう。
QA|公務員の遅刻に関する疑問
まとめ
公務員の遅刻は、職場の業務に支障をきたすだけでなく、公務員としての信頼を損ねる行為でもあります。
しかし、誰もが遅刻をしてしまう可能性はあるものです。
大切なのは、遅刻を常習化させないこと。
そのためには、日頃から時間管理を意識し、余裕を持った通勤スケジュールを立てることが重要です。
また、体調管理にも気を配り、体調不良の際は無理せず休養を取ることも必要でしょう。
万が一遅刻してしまった場合は、慌てずに適切に対処すれば問題ありません。
遅刻の際の対応は、公務員としての資質を問われる場面でもあります。
1つひとつのあなたの行動が、上司や同僚からの信頼につながっていることを忘れず、日々の業務に真面目に取り組みましょう。