こんにちは、てつです。
私は就職氷河期時代にフリーターから公務員試験に合格。13年間都内某区役所で勤務し、最速で管理職選考に合格しました。
このブログでは、元公務員の私が、公務員時代の実体験をベースに、これから公務員試験に挑戦しようとする方・現役の公務員の方に向けて役立つ情報を発信しています。
今回の記事のテーマは、「辞めたいと思っている、20代公務員の方へ」
いろいろあって公務員を辞めたい⋯
そう思っている20代の方にお伝えしたいです。
入庁して間もない20代の公務員が「辞めたい」と思うのは、珍しいことではありません。
世間は「辞めるなんてもったいない」とか「民間は公務員より厳しい」とか言う人もいるかもしれません。
でも、公務員だって「辞めたい」と思うようなことは普通にあります。
この記事では、都内区役所に13年間勤めた元公務員の私が、20代公務員の退職事情や「辞めたい」と感じてしまう理由と対処法について、経験をもとにお話しします。
20代なら行動次第で人生変わります!
「辞めたい」とお悩みの20代公務員の方にぜひお読みいただき、少しでも前向きになっていただければと思います。
あなたが20代で「公務員を辞めたい」と思うのはなぜ?
20代で公務員を辞めたい⋯
そう思ったのはなぜですか?
人間関係ですか? 仕事でつらいことでもありましたか?
理由は人それぞれですが、「公務員を辞めたい」と思うということは、相当悩んでいるはず⋯
簡単に辞められるなら悩むことはありませんが、必死に勉強してやっと手に入れた公務員という職業⋯
そう簡単に辞めることもできません。
辞めたくても辞められない⋯という方もいるでしょう。
私も20代の頃は、仕事が回らず⋯窓口対応で強くあたられて⋯残業の日々⋯
辞めたいと思ったこともありました。
フリーターからやっとのことで公務員になれたのに⋯
でも、20代で公務員を辞めたいと思うのは、珍しくないんです。
むしろ、公務員なら誰でも通る道と言ってもいいかもしれません(私見ですが⋯)。
20代で「公務員を辞めたい」と思うのは普通!?
役所に入庁して間もない20代の公務員が「辞めたい」と思うのは、実はそんなに珍しいことではありません。
私は、入庁1年目に窓口で住民の方に強くあたられて、しばらくの間、かなり落ち込みました。
そのときは自然と「辞めたい」という感情が湧き出てきました。
「20代ならやり直しが効く」ということもあり、20代で公務員を辞めるという選択をする人もいます。
一体どれくらいの人が20代で公務員を辞めているのでしょうか?
総務省の調査を見てみましょう。
地方公務員の普通退職者数 (令和4年度・一般行政職・30歳未満) | |
---|---|
都道府県 | 1,198 |
指定都市 | 382 |
市・特別区 | 1,862 |
町村 | 748 |
一部事務組合等 | 54 |
合計 | 4,244 |
構成比 | 33.9% |
「令和4年度地方公務員の退職状況等調査」によると、令和4年度に30歳未満で地方公務員を普通退職した人は、全国で4,244人。
年代別の構成比では33.9%と最も高くなっています。
ただ、公務員の離職率が民間と比べてかなり低いため、この数字を「多い」「少ない」と単純に言うことはできません。
みんなが辞めているなら私も辞めよう!
という人はいないと思いますが、20代で公務員を辞める人が一定数いるのは事実です。
20代の公務員が「辞めたい」理由とは?
20代でも公務員を辞める人は一定数いますが、具体的な退職理由は明らかになっていません。
それもそのはず、退職届の理由欄に「仕事がつらいため」とか「失敗して落ち込んだため」とか「苦手な先輩がいるため」とか書く人なんていませんからね。
退職の本当の理由は分かりようがないわけです。
でも、20代で辞めるにはそれなりの理由があるはず。
公務員だって仕事をしていれば、落ち込むこと⋯大変なこと⋯不満なこと⋯いろいろあります。
私も20代の頃は、仕事に対して不安や悩みを抱えていましたし、自分の仕事をこなすだけで必死でした。
20代の公務員の方が「辞めたい」と思う理由について、私の経験からお話ししたいと思います。
上司・先輩との人間関係
若手職員の悩みで多いのは、上司や先輩との人間関係。
人間関係がギクシャクしているというよりは、圧を感じて精神的にストレスになってしまうパターンです。
年齢的にも経験でも上の立場の人との仕事は、若手職員にとって緊張感を強いられます。
今でこそパワハラ職員は絶滅危惧種になりましたが、口調が厳しい上司や同じ質問をすると怒る先輩っているんです。
そういう人と一緒に仕事するのは相当なストレスです。
そんな人間関係で日常的に圧を受けていると、職場に苦手意識が芽生え、仕事がつらくなったり、仕事に行きたくなくなることも⋯
人間関係の悩みは誰でもありますが、特に若手の方は立場的に下なので、余計溜め込んでしまう傾向にありますね。
相手がいることなので、自分の心がけ次第ではどうにもならないのも悩みを深くする原因です。
窓口・電話対応のクレーム
窓口や電話対応で住民からクレームを言われるのは、公務員なら誰もが経験すること。
クレームは慣れていないと、結構つらいですね。
入庁前は見ず知らずの人から強い口調で迫られたり、不満を言われたりする経験が少ないということもあり、直接クレームを受けるとかなりヘコみます。
特に20代だと、経験も浅く、対応や説明に不慣れなこともあるため、住民の不満を買いやすいというのもあります。
クレームを受けてヘコんでしまうと、自信をなくし、次の対応に影響して、さらにクレームを受けるという悪循環になることも…
そうなってしまうと、窓口に出るのが怖くなったりして、仕事に行くのがつらくなってしまいますよね。
でも、これは経験を積めばいずれ解決できることです。
ベテラン職員でも、クレームを受ければ多少なりともヘコみます。
仕事に自信が持てない
仕事が覚えられない⋯難しくてついていけない⋯失敗が続いてしまう⋯
こうしたことが原因で、仕事に自信が持てない若手職員も多いです。
最近の公務員の業務は、マニュアル化できないものも多く、部署間の横の連携が必要で複雑な事業も増えてきています。
経験がないと、何をしていいか分からず戸惑うこともあるかもしれません。
特に若い頃は、自分より仕事ができる人が周りにゴロゴロいるので、「自分だけ仕事ができない」という思考になりがちです。
仕事に対してマイナス思考になるといいことはありません。
挑戦意欲もわかず、成長の機会を逸してしまいます。
仕事のことが頭から離れない
頭の中が仕事のことでいっぱいで精神的な余裕がないというのも、20代若手の方に多いのではないでしょうか?
若い頃はとにかく覚えることが多く、休みの日も仕事のことが頭から離れないという方もいるかもしれません。
趣味に没頭できなかったり、仕事を忘れてプライベートを楽しむ気にもならないですよね。
私も20代の頃は仕事のことばかり考えてしまっていましたね。
考えないようにしても、どうしても仕事のことが気になってしまうんですよね。
どんな人でも仕事のことばかり考えていては、疲れてしまいます。
精神的に疲れる日が続くと、徐々に「辞めたい」という感情が湧き上がってきてもおかしくありません。
仕事にやりがいを感じない
公務員の仕事の多くは、いわゆる地味な仕事です。
そんな仕事にやりがいを感じないという若手の方もいるはず。
入庁前は希望に満ち溢れていたのに、いざ入ってみるとマニュアル通りの仕事が多く、「こんなはずじゃなかった…」
年数を重ねると、自分のなかでうまく消化できるようになったりもするのですが、若い頃はそうはいきません。
ただ生活費を稼ぐためだけの仕事なんて、本当につまらないですよね。
やりがいを感じなくなると、仕事のモチベーションが下がり、ミスを誘発してしまうこともあるかもしれません。
「いっそ公務員を辞めて、自分のやりたい仕事に就こう」と思っても全然不思議ではありません。
「辞めたい」と悩む20代公務員の方に実践してほしいこと
「公務員を辞めたい」という気持ちは、あなたの行動次第で変わる可能性があります。
特に20代のうちは、公務員としても社会人としても不足している部分があり、変えるところはいくらでもあります。
まだまだ伸び代があるということです。
何も変えないで辞めてしまってはもったいないばかりか、転職先で同じことの繰り返しになってしまうかもしれません。
私自身の経験から、20代の若手職員の方にぜひ実践してみてほしいことをご紹介したいと思います。
もうすでにやっているという方もいるとは思いますが、もしまだなら挑戦してみてください。
辞めるのはそれからでも遅くありません。
自分の味方を増やす
仕事がつらくなってしまう若手職員の人を見ていると、口数少なく黙々と仕事をしている人が多いように感じます。
真面目なのはいいことです。
周りが忙しそうにしていて自分から話しかけづらいというのも分かります。
でも、もっと積極的にコミュニケーションをとってみましょう。
いろんな人と話すことで、自分の人となりを知ってもらえて、味方が増えます。
仕事の人間関係は敵とか味方ではありませんが、味方が増えると、仕事で助けてもらえることが多いです。
たまには上司や先輩の愚痴を聞いてもらえたりも⋯
仕事の悩みをすべて解決できるわけではありませんが、「職場に味方がいる」と思えるだけで、かなり気持ちはラクになるはずですよ。
場数を踏む
経験が浅いうちは、場数を踏んで経験を積むことで、業務知識が定着し、自信につながります。
また、同僚とのコミュニケーションのきっかけも増えます。
窓口や電話対応は積極的に行いましょう。
住民対応でクレームを受けると正直落ち込みますが、クレームになった原因を考えて、次に同じクレームが起こらないよう気をつければいいだけです。
1番やってはいけないのは、消極的になること。
場数を踏まないと成長できないうえに、自分が先輩の立場になったときに経験不足が露呈してしまいます。
「忙しい」「怖い」「不安」などと理由をつけて住民対応に積極的になれない気持ちもわかりますが、ここは勇気を出して前に出ましょう。
あなたが「変わりたい」と思うなら、自分の意志で変わりましょう。
あなたが変わろうとしていれば、きっと周りの職員も助けてくれるはずです。
自分の仕事を「見える化」する
ここからはテクニカルな話になりますが、まずは自分の仕事を「見える化」しましょう。
社会人なら仕事のスケジュールを立てるのは当然と言えば当然なのですが、意外とできていない人が多いです。
というか、「そんな暇がない」というのが現実です。
公務員の仕事は年々複雑になっていて、マルチタスクは当たり前。
思いつくままに仕事をしていては不効率で、仕事は溜まる一方です。
大事なのは、目に見える形に視覚化すること。
理想はエクセルなどでしっかりとした表にするのがよいですが、それが無理なら、最悪メモ程度でも構いません。
職場のPCにスケジュール機能があるなら、それを活用してもよいでしょう。
ある仕事をいつまでに具体的にどこまでやるべきか⋯
とにかく、面倒でも自分の仕事を「見える化」する作業をしてみてください。
今の自分の仕事の全体像を把握し、分解してスケジューリングすることで、「いつまでに何をやるべきか」はっきりできます。
これをすることで、効率面はもちろん、精神的にも安心できて、心の余裕につながりますよ。
業務を深掘りして理解する
若手職員の方には、淡々と事務をこなすのではなく、ぜひ業務の本当の目的や意味を深掘りしてほしいと思います。
公務員の多くの業務は、マニュアル化されています。
これは、担当が変わっても住民に対して公平なサービスを提供できるようにするのが1番の目的。
つまり、マニュアルに記載されている業務手順には意味があるということです。
マニュアル=単純業務というのはナンセンスです。
公務員の仕事は基本的に法令を根拠にして行われます。
業務を深掘りすることで、知識の定着がより進み、応用することもできるようになります。
すると、少しずつ自分で仕事をコントロールできるようになり、仕事が楽しくなったりやりがいを感じられるでしょう。
マニュアルに沿ってしか仕事ができない人間ではなく、マニュアルを使いこなせる人間になりましょう。
本当に20代で公務員を辞めてもいいの?
どうやっても自分の気持ちは変わらない⋯
やっぱり辞めたい⋯でも⋯
本当に辞めてもいいのかな⋯
と迷っている方もいるでしょう。
公務員を辞めるということは、安定を失うこと⋯
迷うのも無理はありません。
でも、この先、公務員が常に安定しているとは限りませんし、時代がどう変わるかなんて誰にも予測できません。
だから、自分の納得いく道を進むしかないんです。
私の経験から言えるとすれば、
20代で公務員を辞めても、希望はある
ということです。
私は40代で公務員を辞めても、こうして生きていますよ!
そんな簡単に人生終わりません。
あとは、あなた次第です。
でも、辞める前に転職先は決めたほうがいいです。
公務員が転職先を探す方法とは?
「公務員を辞めたい」と思ったら、まず転職先を探さなくてはなりません。
20代なら求人はいくらでもありますし、転職できる可能性は30代以上よりはるかに高いです。
転職は若ければ若いほど有利なので、早めに転職活動を始めましょう。
ただ、問題なのは転職活動の方法です。
20代の求人は多いため、転職サイトで闇雲に探しても、自分に合う情報が見つからないことも⋯
そもそも自分にどんな仕事が合っているかも分からない⋯
仕事が忙しすぎて、十分な転職活動ができないという方もいるかもしれませんね。
そんな方には、自分で探す以外に、転職エージェントのサービスを利用してみることをおすすめします。
転職エージェントは、担当のエージェントさんが求人を紹介してくれたり、転職活動のサポートをしてくれる無料サービスです。
プロがサポートしてくれるので、転職が初めてでも安心。
お金がかからないのもうれしいポイントです。
以下の記事で、サービスの概要やおすすめのエージェントをご紹介しているので、興味がある方は読んでみてください。
「辞めたい」を転機に!
「辞めたい」というのはマイナスな意味で捉えられることが普通です。
だからこそ悩んでしまうのです。
でも、「辞めたい」と思うのは、社会人なら誰にでもあること。
私は、プラスに変える転機にもなると思います。
特に20代なら、今の職場で活躍することも、転職して大きく方向転換することも十分可能です。
「辞めたい」は自分を変えるチャンス
これをきっかけに、もう1度自分を見つめ直して、再スタートを切りましょう!